KPIとKGI

1. KPIとは
KPIはKey Performance Indicatorsの略で、「重要業績評価指標」と訳されます。これは、目標に向けての経過観察や軌道修正を数値化したものです。目標までのプロセスを数値化することで、コールスタッフ全員に目標が共有でき、意思統一が図りやすくなります。また、スタッフの評価材料としても利用できます。KPIを導入すれば、全体のパフォーマスが上がり、スタッフのモチベーションも向上しやすくなるのです。コールセンターでのKPIは、平均処理時間(AHT)や入電率、応答率、呼損率、新規獲得率、クレーム率、定期抑制率、クロスアップ率などが項目になります。項目は社内なのか社外なのかによって変わりますし、企業によっても必要な項目が異なります。KPIを算出するには、企業にあった項目を挙げる必要があります。
2. KGIとは
KGIはKey Goal Indicatorsの略で「重要目標達成指標」と訳されます。つまり「目標の設定」という意味です。KGIに向けてどのようにKPIを算出するかがカギとなります。コールセンターにおけるKGIとは

コールセンターのKGIは、自社の利益に繋がるものを設定することが重要です。また、数値はより具体的に設定することが必要です。KGIが曖昧だと、稼働していても業務がうまく進まなかったり解決までのプロセスを正確に導き出せなくなるためです。顧客満足度向上やコストダウン、リピート率などを具体的に盛り込んだものを設定するとよいでしょう。
KGIを達成するためのKPI
1. 目標に合うプロセスを

明確にKGIを設定したら、KPIに落とし込んでいきます。目標=KGI、そのために必要なプロセス=KPIというイメージで行います。必要な過程は複数出し、重要なものをピックアップしましょう。効率化を図るために、すべてのプロセスを挙げる必要はありません。プロセスをたくさん挙げすぎてしまうとスタッフへの定着が難しくなり、モチベーションが低下する可能性があるからです。
KPIは時に修正が必要になります。KGIを達成できなかったときは、KPIを変えていきましょう。目標達成が現実的なKPIを丁寧に設定し、臨機応変に変更する必要があります。
2. どんなKPIを設定したらよいの?

ここでは、有用なKPIをいくつかご紹介します。
1)CPH
Call Per Hour(CPH)は「対応件数を稼働時間で割った数値」で、オペレーターを評価するための指標になります。7時間勤務で70件対応できた場合、CPHは10になります。CPHの高さは、顧客の問題解決数が多いことや事務処理時間が早いことを表しています。また、コールセンター全体として活用する場合は効率性を測ることができます。
2)ATT
Average Talk Time(ATT)「平均通話時間」のことです。コールセンターのコスト削減のためには必要な指標になります。また、TTはコストを下げる指標に有効ですが、ATTを下げようとするあまり顧客対応の低下に繋がる恐れもあるので、やみくもに下げることには注意しましょう。
3)ACW
After Call Work(ACW)「平均後処理時間」のことです。通話後の入力作業などの処理をした時間にかけた平均時間です。オペレーター個人の評価と、センター全体の生産性を評価できます。
4)AHT
Average Handling Time(AHT)「平均処理時間」のことです。ATTとACWの両方を足した数字になります。オペレーター個人やセンター全体の生産性をより総合的に見ることができます。
5)CES
Customer Effort Score(CES)「顧客努力指標」のことです。顧客が問題を解決するためにどのくらい労力を要したかについて7段階で点数をつけてもらい、顧客がストレスを感じていたかどうかを知ることができます。サービスの評価をすることができます。
6)稼働率
顧客との通話や後処理にかかった時間を稼働時間で割った数値です。センターの全体評価をするために用いられます。稼働率は「高ければよい」というものではないため、適正の基準を見極めて用いる必要があります。
7)設定時間内応答率
決められた時間内にオペレータが応答することができた割合です。顧客を待たせないための指標になります。センター内で人員確保や作業分担などができていると、設定時間内応答率に還元されます。
まとめ

昨今、あらゆる企業でコールセンターの役割の重要さが増してきています。コールセンターの対応によってサービスや商品の購入、リピートに繋がるからです。KGIやKPIのマネジメントを活用し、企業の収益向上やスタッフのモチベーションの向上に役立ててくださいね。