1.マニュアルの全体の流れを把握する
マニュアルの最初から順番に目を通して暗記しようとすると、なかなか頭に入らず時間もかかってしまいます。さらにゴールが見えないマラソンは走りにくいように、全体の流れを把握していないと終わりが見えない状態ではモチベーションが低下してしまいますよね。
マニュアルの覚え方としては、最初に全体に目を通し項目から大体の流れや構成を見渡すことをオススメします。まずはここで全体的な作業の流れやイメージを簡単に把握します。どんな仕事があるのか、どれくらいの量の仕事があるのかをマニュアルの厚さや目次から確認してみましょう。
新しく項目が増える度に、後ろに内容が追加されていくようなタイプのマニュアルだったとしても、まずはその現状を理解することが大切です。分からないところがあっても今は手を止めず、我慢して全体を眺めてみましょう。
2.区切りごとに覚える
マニュアルの多くは分野やカテゴリ、業務の種類ごとに内容を分けて書かれています。例えば飲食店のマニュアルは接客、清掃、レジ、開店作業など仕事の内容ごとに分けて記述されています。 それに従って、項目ごとに反復しひとつずつ覚えていきます。
マニュアルを区分ごとに覚えていくことで効率よく覚えることが出来て、さらに自分がどこまで覚えることが出来ているかを把握しやすくなります。例えば楽器奏者で例えると、暗譜をする際1フレーズずつ反復練習をしていきます。一気に覚えるやり方よりも、ワンフレーズごと反復するのは、集中して記憶するため圧倒的に効率が良い覚え方になります。「とりあえずここまで」の区切りを付けやすいので、モチベーションも維持しやすいのではないでしょうか。 具体的には以下の二点のような覚え方がおすすめです。
①マニュアルがそうなっている理由を考える
洗練されたマニュアルは何かの作業の為の手順を、誰でも効率良く達成できるように考えられています。つまり全ての項目にはこうすべきだった理由が必ず存在します。マニュアルに疑問を持ち、感想や考えを思うことで自分の感情と紐付けることが出来ます。 例えば飲食店などの現場での「なぜ昼夜問わず挨拶が『おはようございます』と決まっているのか?」等の疑問です。理由が必ずあるため、疑問に思ったことは上司や先輩に確認してみることも必要です。
さらに「これをやったら何故次にこうしなきゃいけないのか?」という理由を考えることで次の行動が導かれ、関連付けて次の項目を思い出しやすくなります。そうである理由を把握することで内容を覚えやすくなると同時に、マニュアルに無い対応を求められた時でも意図から大きく外れることも起こりにくくなります。 この覚え方にはどこか事務的で取っ付き難いように思えるマニュアルに、感想や考えを持つことで取り込みやすくなる利点があります。
②マニュアルを見ながら実践する
マニュアルの内容の大筋を掴んだら、見ながら実践していきましょう。英単語を書いて覚えることと同じように、インプットした知識をこまめにアウトプットすることでより身につきます。そのとき意味を考えながら行うことでより身につくでしょう。 体を動かしながら覚えることも覚え方として効果的です。 はじめのうちはマニュアルを見ながらでいいので実践し、少しずつ参照する回数を減らしていけばマニュアルはだんだんと定着していき、自分の身についていくでしょう。
3.コールセンターの場合のマニュアルの覚え方
コールセンターではお客さまと会話をするための台本、トークスクリプトが用意されます。新商品や新サービスが出る度に、また仕様が変わる度に新しいトークスクリプトが用意され、その度に覚えなおしや覚えることが増えるコールセンターも少なくありません。コールセンターはマニュアルを覚える仕事の代表格とも言え、覚え方が特に重要になっています。そんなトークスクリプトの覚え方を見ていきましょう。 コールセンターの場合もまずはマニュアル(トークスクリプト)の全体の流れを一通り把握します。どんな流れで会話を進めていくのか等です。流れを把握した後に要素や行動(アクション)ごとに区切って覚えていきます。コールセンターでのアクションとは、
- 挨拶
- 情報の確認、共有
- クロージング(契約の確認)
- 詳細、注意事項の説明
などに分けられるかと思います。 まずは行動のひとつひとつに「何故このような対応をするのか?」と考えながら実践し覚えるようにしましょう。考えることで丸暗記では得られない応用力も身についていきますし、人と人とのやりとりであるコールセンターでは重要な能力だといえるでしょう。
『はっきりと挨拶する』、『言い回しを変える』などのように気になったことや気をつけることをコメントとして自ら書き込む、という方法も覚えるためには効果的です。
4.まとめ
マニュアルを覚えるという行為での近道とは、マニュアルを丸暗記することではなく、マニュアルの意図を理解することです。考えながら身につけたマニュアルは業務を質の高いものにしていくでしょう。