クッション言葉って?
クッション言葉は、相手に「お願い」や「反論」、「お断り」などをする際に、文の前に入れて使用する言葉で、文の印象を柔らかくする効果があります。
話している内容がマイルドに伝わりやすくなるため、主にハッキリと意思を伝えることが多いビジネスシーンにてよく使われています。
クッション言葉で会話の印象がこんなに変わる
例えば、ある会社の、ある日のちょっとした電話での会話…。
取引先の「相手」と、「自分」との会話を取り上げてみましょう。
【会話例 : ベース文】
相手:前回お願いした資料は出来ていらっしゃいますか?
自分:現時点では出来ておりません。ですが、明日の打ち合わせ時には完成したものをお持ちします。
相手:そうなのですね。では明日の打ち合わせ自体は、予定通りの実施で問題ありませんか?
自分:はい、是非お願い致します。14時のお約束でしたが15時に変更をお願いできますか?
相手:承知しました、明日の15時に御社にうかがいます。
資料がまだ出来てなく、さらに打ち合わせの時間を変更してほしい…。
会社の中で登場しそうな会話の例ですね。しかしこの言い方だと、どことなく素っ気ない雰囲気が出てしまいます。
そこで、この文面にクッション言葉を追加してみましょう。すると以下のようになります。
【会話例 : ベース文+クッション言葉】
相手:前回お願いした資料は出来ていらっしゃいますか?
自分:申し上げにくいのですが、現時点では出来ておりません。ですが、明日の打ち合わせ時には完成したものをお持ちします。
相手:そうなのですね。では明日の打ち合わせ自体は、予定通りの実施で問題ありませんか?
自分:はい、是非お願い致します。恐れ入りますが、14時のお約束でしたが15時に変更をお願いできますか?
相手:承知しました、明日の15時に御社にうかがいます。
自分「ありがとうございます。ご足労をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
太文字の言葉が、クッション言葉です。少し入れるだけで随分と雰囲気が変わりますね。
さらに、相手の気持ちを察した言葉や、自分の気持ちを表す言葉を追加すると、より雰囲気が柔らかくなっていくと思います。試しに先ほどの文面の最初だけ、さらに言葉の追加をしてみます。
【会話例 : ベース文+クッション言葉+気持ち要素】
相手:前回お願いした資料は出来ていらっしゃいますか?
自分:申し上げにくいのですが、現時点では出来ておらず、申し訳ありません。ですが、明日の打ち合わせ時には完成したものをお持ちしますので、ご安心ください。
いかがでしょうか?言葉に感情が付き、最初とは随分印象が違ってきますね。
クッション言葉の一
代表的なクッション言葉をまとめて、場面別の一覧にしてみました。クッション言葉という単語を知らなかった方も、馴染みがあり、どこかで聞いたことがある言葉ではないでしょうか。
お願いするとき
- お手数をおかけしますが
- 恐れ入りますが
- ご面倒でなければ
- 失礼ですが
- ご足労をおかけしますが
- 可能であれば
断るとき
- あいにく
- せっかくですが
- 残念ながら
- 失礼ですが
- 申し訳ありませんが
- お気持ちはありがたいのですが
聞くとき
- お尋ねしたいのですが
- 差し支えなければ
- よろしければ
説明や報告をするとき
- おかげさまで
- 誠に勝手ながら
- ご心配かもしれませんが
クッション言葉の会話例
クッション言葉の使用法を間違えずに、正しい日本語の流れに沿って言葉を選びたいですね。
ここでは、会話の例文を挙げてみました。なお、クッション言葉は前項目の一覧から選んでいます。
相手「本日15時からのお打ち合わせに参りました、○○会社の××と申します」
自分「お待ちしておりました。お手数をおかけしますが、こちらの受付用紙にお名前をご記入ください。」
相手「お打ち合わせ場所はどちらにしましょうか?」
自分「ご足労をおかけいたしますが、弊社オフィスまでお越しいただけますでしょうか」
相手「先ほどお電話をもらったので、折り返しました」
自分「差し支えなければ、お名前をうかがってもよろしいですか?」
自分「恐れ入りますが、2点確認させていただけますでしょうか。」
自分「申し上げにくいのですが、期限が本日までとなっておりますため、早めのご確認をお願いいたします」
上司「今回は、Aプランで行きたいと思うのだけど、どう思いますか?」
自分「お言葉を返すようで恐縮ですが、私はAプランよりこちらのBプランの方が良いと思います。なぜなら…」
自分「おかげさまで、沢山のお問い合わせをいただいております。順番に対応しておりますため返答が少し遅れますこと、ご了承ください。」
さいごに
いかがでしたか?簡単そうに見えても、活用法を間違えたくない「クッション言葉」。日頃から少しずつ使っていって、自分のものにしたいですね!