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Amazon Connect(クラウド型コンタクトセンター)を使ってみた(体験談)

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こんにちは。某エンタメ系の会社で社内SEをやっている"ぬこばじる"です。
昔、某コールセンターで、ジャンパー線の接続から、AVAYAの大きなPBXの設定・運用をやっていた時代があるんですが、
最近AWSの方から御社でコンタクトセンターの需要あれば、こんなのありますよ?ということで紹介受けて、
衝撃を受けたサービスがあったので、記事にしてみました。
ちなみに、AWSの回し者ではございません!念のためお伝えしておきます。

そもそもAmazon Connectとは?

リリースされてから少し経ちますが、AWS上に"Amazon Connect"というサービスがあります。いわゆる、クラウド型のコンタクトセンターサービス(CCaS:Contact Center as a Service)です。 "コンタクトセンターサービス"とは、問合せすると自動音声で、「サービスへの問合せの方は1番を、解約の方は2番を、それ以外の方は3番を押して、最後に#を押して下さい」みたいな案内の後、専門の担当者につながったりするアレです。みなさんも経験したことはありますよね?コンタクトセンターをコールセンターと呼ぶ場合も多いです。 コンタクトセンターを運営する上で、必ず必要となってくるのが「PBX(Private Branch eXchange(構内交換機))」です。 会社にも内線転送やパーク応答ができる電話(ビジネスフォンと呼ばれている)があると思いますが、アレもこのPBXが無いとできないわけです。 会社のビジネスフォン用のPBXとコンタクトセンター用のPBXでは、処理能力や呼(コ:呼び出されている電話の回線)を分散させる機能や、呼を待機させておく機能など、ビジネスフォン用のPBXには無い専用機能がついているため、とても高価(数千万から数億円の場合が多い)でなかなか手が出せない企業が多く、コールセンターやコンタクトセンターの運営は資本力のある大手の企業が牛耳っているのは、そんなお財布事情が理由になっていることもしばしば。 このため、お客様から電話での問合せを受けたいんだけど、コンタクトセンター運営なんて無理。。。っていう中小企業は、電話窓口を設けずにメールのみの受付にしたり、大手のコンタクトセンター事業者に委託するかのほぼ2択となるわけです。 そこに一石を投じることになるのが、「Amazon Connect」ではないかと僕は考えています。 これまでもクラウド型のPBXは存在しましたし、数百コール/day規模であればまあ使えるかも、みたいサービスはありました(未検証なんで発言は無責任です)が、数万コール/dayは流石に無理だろうというのが、私の認識でした。

Amazon Connectの実力は?実績はいかに?


このAmazon ConnectはAWSの中の人いわく、Amazonのコンタクトセンターと同じ技術が使われていて、そこそこ長い自社運用実績が有り、 アメリカのT-mobile社も1日に4万コール以上の問合せをノントラブルで運用したとかいう話しでした。これって結構すごいんです。 さらに、IVR(Interactive Voice Response(音声自動応答))もWebブラウザのUI上で構築でき、あらかじめ用意されている女性音声なMizukiさんか男性音声のTakumiくんを選ぶだけで、入力したテキスト通りにAmazon Pollyが喋ってくれるんです。これはすごい。

一般的に高額なコンタクトセンターシステム、Amazon Connectはいくらかかるの?

気になる料金ですが、なんと!月額料金無料!の完全従量課金です。 しかも、毎月90分のAmazon Connect使用料と、各30分間の受発信料が無料でついてくる上に、1日にインバウンド/アウトバウンドを各1,000コール、1コールあたり5分、運用する電話番号5つで30日間運用した場合でも、
Amazon Connect利用料: 0.018 USD/分 -> (1,000x5) x 2 x 0.018 = 180 USD
電話番号利用料: 0.13 USD/日 -> 0.13 x 5 x 30 = 16.95 USD
インバウンド利用料: 0.0056 USD/分 -> 0.0056 x 5 x 1,000 = 28 USD
アウトバウンド利用料: 0.1203 USD/分 -> 0.1203 x 5 x 1,000 = 601.5 USD
------
Total: 826.45 USD
ということで、1ドル112円換算なら、
約92,500円/月で高価なPBXが使えてしまう!これはほんとにすごい!
しかも、上記計算からアウトバウンドを除くと、約15,000/月でインバウンドなコンタクトセンターが運営できてしまう。。。驚愕。
※これは2018年10月現在、シドニーリージョンにて、日本でのイン/アウトバウンドの料金を適用した場合の試算です。
無料枠は無視しています。詳細は以下のURLからご確認下さい
https://aws.amazon.com/jp/connect/pricing/

実際には、人件費やPC費用、通信費なんかもかかると思うので、完全に上記金額でおさまるものでは無いですが、
少なくとも、PCとインターネット回線さえあれば、在宅で電話対応してもらうことどころか、場所の制約がなくなります。これもまたすごいことですね。 ちなみに、電話機も要りません。というか使えません。PCにUSBとかでヘッドセットをつないで使います。すべてブラウザでの受発信となります。※電話への転送は可能です。

Amazon Connectでできること


これまでのコンタクトセンター向けPBXでできる主要な機能は実装されていると思います。
CMS(Call Management System)は簡易的なものとなりますが、"リアルタイムメトリクス"というところで確認できます。
呼の管理もキューにどのくらい待ち呼を溜めるかとか、そのキューをどういう優先度でどのエージェントに着信させるかとかを細かく設定可能なようです。 また、電話中の会話の録音ですが、設定すれば(デフォルトはOFF)S3に自動的に保存されるので、ストレージの容量を気にしたりそのバックアップをとかいうのも一切考えなくて大丈夫です。
CTI(Computer Telephony Integration)やCRM(Customer Relationship Management)などは、Amazon Connect自体には実装されていないので、Lambdaを使ってサードパーティシステム(SalesforceやZendeskなどはコネクタもあるようです)と連携する必要がありますが、Webアプリを作ったことがある人であれば、大した作業ではないと思います。 また、コンタクトセンターのみに留まらず、自宅や携帯の番号公開したくないとか、ECショップやっていて問い合わせ先掲載しなきゃいけないけど、適当な番号ないとかいう場合も問合せの数にもよりますが、月に数百円程度で問合せ先を持つことが可能です(私が運営しているECサイトは、問合せ先に電話をかけるとMIZUKIさんが電話での問合せは受け付けてないから問合わせフォームから問合わせしてね!と優しく応えてくれます)。
他にも、郵便番号から住所を返してくれるREST APIのサービスを利用して、
電話かける -> 郵便番号入力する -> Lamdaに連携 -> LambdaからREST叩いて返ってきた結果を戻す -> Amazon Pollyに住所喋らせる のようなのも可能です。
実用的かどうかは別ですが(笑)



 

どうやって構築するの?難しいの?

私の運営しているECサイトの問合せ先程度のPollyにテキスト喋らせるだけなものであれば、電話番号の取得から始めても、5分あれば構築可能です。
100ブースを超える大規模なコールセンターを運営しようとした場合も、様々な問合せフローがあらかじめ用意されているので、
このテンプレートを使ってパラメータを入れ替えたり、既存のCMSやCTIとつなぎ込んだりの実装も、
(求められるスキルがPBXに関する知識というよりプログラム的な知識なので一概に比較できるものではないですが)これまでのPBXを設定することと比べたら段違いに簡単でしょう。



詳細なマニュアルはこちらで確認できます。 https://docs.aws.amazon.com/connect/index.html#lang/ja_jp

いいことばかりではない、デメリットもあります。

ここまでに出てきたメリットに比べれば個人的には大したこと無いだろうと思われるデメリットですが、運用する会社によっては気になる点かなと思うこともいくつかあります。

1) 外部のテレフォニープロバイダーは使えない

NTTやKDDIやソフトバンクみたいな大手キャリアの回線を使いたい!!みたいなのはできません。なので、試してませんが、おそらく特番への発信はできない番号が多いんじゃないかと思います。

2) MNPできない(03とか044とか06とかの市外局番付きの番号は持てない)

米国では対応しているようですが、現時点では日本において、使っている番号をポータビリティできません。 050から始まる番号か、0800のフリーダイヤル的な番号のいずれかになります。

3) 東京リージョンがない

これはもうすぐできるらしいですが、国内にリージョンがないとそもそもだめよっていう会社はそれなりに多いと思うので、早く東京リージョンでも使えるようになるといいですね。

4) マネージャーとかスーパーバイザーによるリアルタイム聞き取りをする仕組みはあるがひと手間かかる

コンタクトセンターにおいてはよくあることだと思いますが、エンドユーザーとオペレーターの会話をリアルタイムで聞くという作業。これを行うためには、ひと手間かかります。manager listen-in という機能を有効にすることで可能になるようです。

まとめ

AVAYAやCiscoやNTT-Comなどの大手もクラウドPBX出していますが、AWSのAmazon Connectは、価格の面だけでなく既存システムとのつなぎ込みや専用のハードウェアを必要としない点などで、圧倒的なアドバンテージを持つクラウドPBX(というか、"CCaS")だと思います。 個人から数千人とか数万人規模のコンタクトセンターだって構築可能かもしれません(笑) 大手のコンタクトセンター屋さんも乗り換える会社多いでしょうから、AVAYAとかの老舗PBXメーカーが傾く可能性もありそうですね。 以上、某エンタメ系の会社で社内SEの"ぬこばじる"による、感想でした! ※あくまで個人の感想としてご確認いただきますようお願いいたします。

 

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