1.テレワークとは
テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方です。テレワークという言葉は造語で、「tele = 離れた所」と「work = 働く」を合せたものです。
ライフスタイルが多様化する昨今、様々な事情で働けない方が自宅で働ける方法として、注目されている働き方で、ここ数年でテレワーク求人も増え、テレワークで業務を行う「テレワーカー」が増加しています。
参照:総務省テレワーク普及状況
2.総務省も推奨するテレワーク
また、テレワークは総務省も推奨しています。
推奨の背景として、2020年の東京オリンピックに向けた、テレワーク導入による会場周辺の混雑緩和の狙いがあります。
オリンピック開催をきっかけとしたテレワーク導入施策は、2012年に開催されたロンドンオリンピック・パラリンピック競技大会での成功事例があります。テレワーク導入の結果として会期中の交通混雑を回避できたことに加え、テレワークを導入した企業では、事業継続体制の確立、生産性や従業員満足の向上、ワークライフバランスの改善等の成果が得られたと報告されています。
日本でもオリンピック開催期間は国内外から大勢の観光客が集まり、大会会場周辺で大変な交通混雑となることが予想されるため、ロンドン大会の成功にならい、2017年から2020年までの毎年、開会式に相当する7月24日を「テレワーク・デイ」と位置づけて、テレワーク一斉実施の予行演習を呼び掛けています。
参照:日本テレワーク協会
3.テレワークの雇用形態とは
前項まででご紹介した通り、テレワークは総務省の推奨があったり、ライフスタイルが多様化している現代の私たちにフィットした働き方であるため、非常に人気のある働き方になりますが、いざ働いてみようと思うと、求人で見かけるのは「委託」の文字ばかり…ということがあるのではないでしょうか。次に求人でよく見る、テレワークの雇用形態についてご紹介します。
直接雇用
企業側に雇われる働き方です。直接雇用の場合は「雇用主」と「労働者」の図式が成り立つので、労働基準法が適用されます。
自社雇用の場合、労働基準法が適用されるため、時給の明記は必須になります。そのため、パートの求人募集の場合は給与項目で「時給○○円」などと書かれていることが多いです。
正社員募集では「在宅勤務あり」と書かれている求人が直接雇用である場合が比較的多い傾向にありますので、求人を確認する際はその点もチェックしてみると良いでしょう。
業務委託
労働者としての契約ではなく、企業と対等な立場で働く働き方です。企業の業務を「請け負う」という形になるので、働いた時間ではなく請け負った仕事の完了件数などの「成果」で報酬が発生してきます。
直接雇用では労働基準法の適用がされましたが、業務委託の場合は会社に雇われている訳ではないので適用されません。
業務委託の求人では給与項目は「1件○円」「時給換算○円」などと書かれていることが多くあります。現状、在宅型のテレワークというと直接雇用より、業務委託のものが多いので、知識として知っておくと良いでしょう。
4.知っておきたい直接雇用と業務委託の違い
では、具体的に直接雇用と非雇用では何が変わってくるのでしょうか。
社会保険
直接雇用の場合は雇用契約を結びますが、業務委託はあくまでも個人事業主として働くことになります。業務委託は法律上では労働者として扱われません。
そのため直接雇用では適用対象となる雇用保険は適用されませんし、国民健康保険及び国民年金は自己負担での加入が必須となります。労災保険については加入無し、もしくは特別加入制度を利用して任意加入することになります。
確定申告
直接雇用であれば企業側が行ってくれる確定申告も、非雇用であれば自身で行う必要が出てくる場合があります。
確定申告の有無は、1年間の所得の金額により決定します。所得とは、全報酬から必要経費を差し引いた金額で算出され、その金額が一定額を超えると、確定申告の義務が発生します。
一律に控除される基礎控除が38万円であるため、1年間の所得が38万円以上になる場合は確定申告が必要となる可能性が高いです。その他の控除が適用され、所得38万円以上でも確定申告不要の場合もありますが、目安として覚えておくと良いでしょう。
WワークOK
直接雇用であれば、就業規則で「Wワーク禁止」や「副業禁止」とされているところも多いですが、業務委託の場合は会社とは雇用関係になく、業務依頼主と業務請負人の関係となるので、特に就業規則に縛られる必要がありません。
社会保険の手続きや確定申告など、企業に就業している際は気に留めていなかった方も多いのではないでしょうか。業務委託での契約では、それらの知識も必要となってきます。
5.テレワークできる働き方
雇用契約と業務委託契約の違いについてわかったところで、テレワークでできる働き方について見ていきましょう。
「テレワーク」=「在宅ワーク」と思われた方も多くいるかもしれませんが、厳密には違います。在宅ワークはテレワークという働き方の中のひとつで、「モバイルワーク」や「サテライトオフィス勤務」という働き方もテレワークになります。
テレワークの区分として、雇用関係がある場合、無い場合でご紹介します。
雇用型:企業に在籍した被雇用者が行うテレワーク
在宅勤務
自宅にいながら、会社とはパソコンをネットで繋ぎ、連絡を取るという方法の働き方です。もともと企業に勤めていて、育児や様々な理由で会社に出社できない従業員が在宅で働けます。
在宅でできる仕事は限られてきますが、出社できる時間は出社して、会社でなければできない仕事を取り組む、などすれば在宅勤務が可能でしょう。
モバイルワーク
事務所に毎日は出勤せず、顧客先や移動中に、パソコンやスマホなどを使って業務を行う働き方です。お客様先に訪問する営業マンの方などが、モバイル通信を利用して外出先でも働ける、というものです。
ネット環境があればできる仕事を外出先で行うことで、業務効率は格段にあがるでしょう。
サテライトオフィス勤務
企業または団体の本拠から離れた所に設置されたオフィスを就業場所とするもの。地方にサテライトオフィスを設けることで、I・Uターンを希望する人が転職をしないで働き続けることができたり、都心では出会えない人材を確保できるというメリットもあります。
自営型:個人事業者・小規模事業者が行うテレワーク
SOHO
個人事業主として仕事を請け負い、在宅などで働く形態。法人格を持っていることが条件。デザインやコーディングなど、専門性の高い技術が必要な仕事が多いです。
ノマドワーク
特定の職場を持たず、移動しながら仕事をする働き方です。インターネットさえ繋がればどこでも仕事ができるので、極端に言うと、旅先から仕事をすることも可能です。
在宅ワーク
個人が仕事を請け負い、自宅で業務を行う働き方です。仕事募集は求人サイトやアウトソーシングサイトで探したり、テレワーク人材会社に登録をすることで見つかります。
6.まとめ
いかがでしたか?テレワークは、ライフスタイルが多様になった、現代の私たちにフィットした働き方ですが、「職場」という場所にとらわれず働ける分、プライベートの線引きが難しく、しっかりとした自己管理が必要となってきます。
自己管理が心配…という方は在宅コールセンター業務がおすすめです。お客様へお電話をかける時間や受信する時間は窓口として、電話が繋がる時間が決まっていることが多く、「業務が終わらなかったから残業しなくてはならない…」といったことは基本的にありません。自己管理に不安がある方も、在宅コールセンターであれば、初めてのテレワークだったとしても始めやすいのではないでしょうか。
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