「コールセンターのSVとは?」
「どうすればコールセンターのSVになれる?」
コールセンターのSV(スーパーバイザー)とは、オペレーターの育成やフォロー、管理を担うマネジメント職種です。
SVは、コールセンター全体を円滑に運営するために重要な役割を担っていますが、「具体的にどんな業務がある?」「どれくらい稼げるの?」など疑問を抱いている方も少なくないでしょう。
そこで本記事では、コールセンターのSVについて、仕事内容や向いている人、年収などを徹底解説していきます。
SVの将来性やキャリアパスも紹介しているので、「SVになりたい!」と考えている方に必見の内容です!
コールセンターのSV(スーパーバイザー)とは
コールセンターにおけるSVの役割
コールセンターのSV(スーパーバイザー)とは、オペレーターの育成やフォロー、管理を担うマネジメント職種です。
SVの主な業務としては、オペレーターの指導やクレーム対応、業務品質の監視、KPIの達成状況のモニタリング、そして新入社員の研修などが挙げられます。
さらにSVは、センター長やマネージャーから目標や施策の知らせを受けてオペレーターに伝えるといった、コールセンター全体を円滑に進めるために重要な役割を担っています。
SV1人につき、数名から20名くらいのオペレーターを担当することが一般的です。
- 現場管理
- オペレーターの模範生
- オペレーターの責任をもつ役職
- 仕事内容が多岐に渡る
コールセンターの組織図
センター長
コールセンターの役割の一つであるセンター長は、コールセンターの運営全体を統括し、業務の効率化や品質の向上を目指す重要なポジションです。
センター長の主な職務には、オペレーターや他のスタッフの管理・指導、業務フローの最適化、KPI(主要業績評価指標)の設定や達成状況のモニタリング、クライアントとの調整や契約交渉などがあります。
コミュニケーション能力やリーダーシップを持つだけでなく、戦略的思考や問題解決能力をもって、組織全体を引っ張っていく力が求められます。
マネージャー
マネージャーとは、センター長直下のポジションにあたり、複数のSVの取りまとめを行うのが役割です。
またマネージャーは、センター長が掲げる経営目標を達成するために、具体的な収益性や生産性、品質などの目標設定も行います。
さらに、SVから業務報告を受けてコールセンターの現状を把握し、人材配置の検討や収支計画の策定を通して、コールセンターの運営をより良い方向に導いていく役割も担っています。
マネージャーが、一般業務の電話対応することはほとんどありませんが、クレーム時には電話対応をするケースもあります。
リーダー
コールセンターの運営を円滑に進め、メンバーのモチベーションを維持するためには、リーダーの役割が極めて重要です。
具体的なリーダーの業務内容としては、オペレーターのサポートや問題解決のサポート、日常の業務フローの確認、そして新しいプロジェクトやキャンペーン時のサポートなどが挙げられます。
リーダーは、その名の通りリーダーシップを取る能力が求められる一方で、チームの中心となる存在として、メンバーからの信頼を得ることが大切です。
オペレーター
未経験で入社した場合、まず最初に就くポジションがオペレーターです。
オペレーターは、顧客からの問い合わせや要望、クレームに対応する役割があります。
またオペレーターは、企業やサービスの顔としての役割も担っており、高いコミュニケーションスキルや忍耐強さ、迅速な判断力が求められます。
サポート部門
コールセンターにおけるサポート部門は、いわゆるバックオフィス業務と呼ばれる部門です。
例えば、オペレーターが使用する電話やパソコン、アプリケーションなどは、サポート部門内のシステム担当が管理・整備しています。
またサポート部門には、入社後の研修や教育を担当する教育担当や、お客様への対応品質をチェックする品質管理担当なども存在します。
コールセンターのスムーズな運営には、サポート部門の存在が欠かせません!
コールセンターのSVの仕事内容
お客様対応の確認と改善
コールセンターのSVは、オペレーターが適切なお客様対応を行っているのか確認します。
問い合わせの事例や良い対応、悪い対応をモニタリングし、オペレーターにフィードバックすることで、より良いお客様対応を目指します。
対応商品・サービスに合わせた取り組み
コールセンターで取り扱っている商品やサービスが更新された場合、問い合わせ内容を想定して新しいトークスクリプトやFAQを作成します。
電話対応を行っていると、「○○に関する問い合わせが多い」「○○へのクレームがよくある」といった気づきもあるので、随時FAQに追加したり、センター長やマネージャーに報告したりします。
進捗管理・報告
コールセンターのSVは、センター長やマネージャーから任された目標数値を達成するために、コール件数やアポイント獲得件数などの進捗管理も行います。
進捗が悪い場合は、オペレーターに改善策をアドバイスし、チーム全体のコール品質や成果率を上げるように努めます。
クレーム対応のサポート
オペレーターが対応しきれなかったクレームや問い合わせに対し、企業のイメージを損なわないよう慎重に応対するのもSVの仕事です。
企業やサービスに対する直接的なクレームを受ける可能性もあるため、冷静な対応力や解決策を提供するスキルを身につけておきましょう。
オペレーターの育成
コールセンターのSVは、新人オペレーターが問題なく現場で働けるよう研修を行ったり、オペレーターが快適に業務に取り組めるよう面談を設けたりします。
また電話対応のモニタリングを行っているなかで、不適切な対応を見つけた際には、適宜指導を実施してオペレーターのレベルアップを図ります。
オペレーターの勤怠管理やシフト作成
オペレーターの採用業務やシフト作成、勤怠管理もSVの仕事です。
特にシフト作成において、コールセンターでは様々な人が働いているので、子育てや学業、ダブルワークなど、それぞれのライフスタイルに合ったシフトを作成することが大切です。
オペレーターの勤怠管理やシフト作成については、サポート部門が担当しているコールセンターも多いです。
コールセンターのSVの時給・年収
- 正社員:平均年収409万円
- 派遣社員:平均時給1,397円
- アルバイト・パート:平均時給1,300円
参照:求人ボックス給料ナビ
コールセンターのSVにおいて正社員の場合、平均年収は409万円です。
大企業のコールセンターや東京・大阪などの首都圏ほど、年収が高くなる傾向にあります。
またSVでも、歴が長かったり担当する業務が多かったりすると、基本給が上がることもあります。
オペレーターとSVの給料の違い
オペレーター | SV | |
正社員 | 平均年収385万円 | 平均年収409万円 |
派遣社員 | 平均時給1,195円 | 平均時給1,397円 |
アルバイト・パート | 平均時給1,396円 | 平均時給1,300円 |
コールセンターで正社員や派遣社員として働く場合、SVの方が給料が高くなっています。
そのため、コールセンターの正社員や派遣社員としてより効率的に稼ぎたい場合は、意欲を示して行動しSVに昇格するのがおすすめです。
コールセンターのSVの将来性
SVは需要があるので、仕事がなくなることはない
労働人口の減少を背景に、多くの業種・職種が人手不足に陥っているため、問い合わせ業務を外注する企業も増加しています。
それにより、コールセンター市場は今後さらに拡大が期待されており、オペレーターやSVの需要も自然と高まることになります。
またSVの仕事は、オペレーターの育成や管理が主軸となるので、仮に1社しか経験がなくても、その経験は他業界のコールセンターでも通用します。
SVの経験があれば、どのコールセンターに転職してもSVとして働けるでしょう!
SVのキャリアパス
コールセンターにおけるSVのキャリアパスには、「統括責任者になる」か「コールセンター立ち上げのコンサルティングを行う」といった道があります。
コールセンター全体の統括責任者になるには、SVとして成果を上げ、新部署の立ち上げなどには意欲を示して行動することが大切です。
現職で統括責任者の採用枠がない場合は、コールセンター専門のコンサルティング会社へ転職し、センターの立ち上げをプロデュースする仕事に就くのもおすすめです。
コールセンターのSVになるために必要な経験・スキル
マネジメント能力
コールセンターのSVは、チーム全体を育成・フォローするマネジメント能力が必要です。
チームで目標を達成するために施策を実行し、成果が出ない場合は施策を考え直したり、オペレーターの電話対応を見直したりなど、成果が出せるような工夫をしていきます。
また、コールセンターを円滑に運営するためには、オペレーターのメンタル面にも気を配り、一人一人の状況を把握するスキルも求められます。
コミュニケーションスキル
コールセンターのSVは、お客様やオペレーターと良好な関係を築くコミュニケーションスキルが必要です。
例えば、オペレーターの代わりにクレーム対応する場合は、冷静な判断力と状況を打破するコミュニケーション技術が求められます。
またオペレーターに頼られる存在になるためにも、𠮟責するような言い方を避けて、的確な指示や助言を出すように心がけましょう。
電話応対スキル
SVは、オペレーターが対応に困っていたら、電話を交代することがあります。
お客様からの問い合わせや要望などをじっくりと聞くことで、問題の本質を正確に把握できるかが、SVの腕の見せ所です。
相手の感情やニュアンスも感じ取りながら、最適な解決策を提案する高いオペレータースキルが必要です。
資料作成スキル
コールセンターのSVは、新人オペレーターの研修資料やクライアントに提出する提案資料などを作成することもあります。
高度なデザインスキルは必要ありませんが、読みやすい文章や見やすい配色を意識した資料を作成できると良いでしょう。
数値管理スキル
コールセンターのSVは、チームが適切に稼働しているか測る数値管理スキルも必要です。
コール件数やアポイント獲得件数などを逐一把握し、期日までに目標を達成できるよう日々の進捗状況を調整せねばなりません。
1日ごとの目標を達成できる日もあればできない日もあり、日々の数値は変化するので、毎業務終了後に1日ごとの達成すべき件数を計算できる几帳面さも大切です。
コールセンターのSVになるには
未経験者はコールセンターで働きながらSVを目指す
コールセンターのSVになる際、オペレーターの実務経験は必須です。
SVは、オペレーターの育成や管理を担当する立場なので、現場を素早く理解・把握できる力が必要だからです。
そのためSV未経験者は、コールセンターでオペレーターとして十分に実務経験を積み、働きながらSVを目指すのがおすすめです。
実務経験が全くない状態からSVになれるケースはほとんどありません。
オペレーターからキャリアアップする
オペレーターで経験を積んでキャリアアップを目指すと、コールセンターのSVになれる可能性が高まります。
SVになるために特別な資格は不要なので、着実に電話対応の経験を積み、オペレーターとして目に見える成果を出すことが重要です。
例えば、新人オペレーターにアドバイスしたり、SV不在時にオペレーターを取りまとめたりなど、意欲を示して行動することでチャンスを得られるでしょう。
SSV(サブスーパーアドバイザー)からSVをめざす
コールセンターによっては、SVの補佐をつとめるSSV(サブスーパーアドバイザー)という役職があります。
オペレーターとして十分な経験を積み、他のスタッフをまとめる力が認められるとSSVに抜擢されます。
SVになるためにSSVの段階を踏まなけれならない場合は、まずSSVを目指しましょう。
SVの求人に応募する
コールセンターでは、SV職を募集していることがあります。
多くの求人では、「他社でのオペレーター経験3年以上」「SV経験者」「マネジメント経験者」など、条件がつくことが多いです。
条件に少し当てはまらない方でも、「SV職に挑戦してみたい」という強い思いのある方は応募してみるのがおすすめです。
コールセンターで働くSVのやりがい
クライアントから求められている目標を達成できたときにやりがいを感じます!
任される仕事の内容や重さを大変に感じることもありますが、自分にとってはそれが一番のやりがいです!
オペレーターやチームの成長を実感できたとき
コールセンターでは結果が数値で明確になるので、自分が指導したオペレーターが結果を出したとき、自分のことのように喜びを感じられるでしょう。
特に、チームが今まで伸び悩んでいた場合、オペレーターそれぞれに直接指導したり悩みを聞いたりといったコミュニケーションを密にとります。
小さな積み重ねの結果、チームの士気が高まって成果が出せるようになると、目に見えて成長が分かるので、チームの育成業務にもやりがいを感じるでしょう。
目標達成時の喜びが大きくなる
コールセンターのSVは、目標に対する責任があるので、オペレーター時代よりもプレッシャーを強く感じるかもしれません。
しかし責任が重い分、オペレーターの頑張りが報われて目標達成したときには、大きな達成感を得られるでしょう。
また、マネージャーやセンター長から褒められることで、仕事へのモチベーションもさらに高まるはずです。
コールセンターで働くSVの大変なこと・厳しさ
とにかく業務量が多くて大変…
なのにクレーム対応で1日終わることもある…
日々、細かな数値で管理される…
人間関係の対応に神経を使う場面も多い…
オペレーターよりも責任範囲が広くなる
コールセンターのSVになると、オペレーターの代わりにクレーム対応しなければいけなかったり、数値管理や勤怠管理など業務が増えたりします。
仕事の範囲が幅広いため、コールセンターによっては残業時間が長くなり、ハードワークに陥ってしまうこともあります。
また期限のある仕事が多いので、優先順位をつけながら、効率的に進めなければならない点も大変に感じてしまいやすいでしょう。
クレーム対応がキツイ
SVは、オペレーターで対応しきれなかったクレームを受け持つことが多く、ときには1日クレーム対応に追われることもあります。
体調が悪いときや精神的に弱っているときにクレーム対応が続くと、悲しい気持ちに引きずられてしまい、仕事が辛く感じてしまうこともあるでしょう。
コールセンターのSVにに向いている人
視野が広い人
コールセンターのSVは、現場管理者として常に状況を把握しなければならないので、広い視野を持っている人が向いています。
例えば、オペレーターやマネージャー、センター長など様々な人から幅広く意見を聞くことで、応答率の低さや離職率といった問題の原因を把握できます。
さらに、多様な意見を取り入れることで、多くの人が納得する解決策も提案しやすくなり、より良いコールセンターの運営を実現できるでしょう。
常に冷静な人
コールセンターでは、お客様から寄せられる様々な要望・問題に素早く対処しなければならないので、常に冷静な人に向いています。
特にSVは、クレーム対応する場面も多く、ときには悪質なクレームを受けなければなりません。
全てのお客様に同じ対応をするのではなく、その人の気持ちや状況に合わせて適切な言葉を選び、最後まで丁寧な対応をする必要があります。
前向きな人
コールセンターのSVは、「SVとしての個人目標」「チーム全体の目標」の両方で成果を求められます。
そのため、目標に対して前向きな姿勢でいれる人は、コールセンターのSVに向いているでしょう。
また、目標を達成したときの達成感は、仕事のモチベーションを高める大きな要因となるため、目標達成に向け行動できれば高い成果を上げられるでしょう。
コールセンターのSVに関するよくある質問
- 未経験からでもコールセンターのSVになれる?
-
未経験でコールセンターのSVになるのは難しいです。少なくとも、オペレーターの実務経験は必須です。
- SVになるのに資格は必要?
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SVになるのに資格は必要ありません。ただし、「日本コンタクトセンター試験」を取得しておくと、有利になる場合があります。
- SVを目指すにはいくつものコールセンターで勤めたほうがいい?
-
いくつものコールセンターで勤めるのはおすすめできません。短い間にいくつものコールセンターで勤めると、すぐ辞めてしまうのではという印象を持たれかねないからです。
- 管理職経験ありで、SVを目指せる ?
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SVはオペレーターをまとめる職種なので、オペレーターとしての実務経験が重視されます。そのため、管理職経験だけでSVを目指すのは難しいでしょう。
まとめ
今回は、コールセンターのSV(スーパーバイザー)について、仕事内容や向いている人、年収などを徹底解説していきました。
コールセンターのSVになるには、オペレーターから経験を積んでキャリアアップする方法がおすすめです。
SVになるために特別な資格は不要なので、着実に電話対応の経験を積み、オペレーターとして目に見える成果を出すことが重要です。
例えば、新人オペレーターにアドバイスしたり、SV不在時にオペレーターを取りまとめたりなど、意欲を示して行動することでチャンスを得られるでしょう。