そもそも、債権回収ってどんな仕事?
「債務回収」の意義
債権回収業とは、貸したお金や商品代金の未払いを回収するお仕事のことです。「債権回収」と聞くと少し堅い印象がありますが、一言でいうと「企業の売上の回収」です。
ネットショッピングの支払いやクレジットカード利用料金、公共料金、携帯電話料金など、これらはすべて、本来はそれぞれのサービスを取り扱う企業の売上となるものです。「これらのお金が正常に支払われない=その企業の売上がなくなる=企業の運営ができなくなる」ということを意味しています。 債権回収業を行う会社は、そのような企業の代わりに支払いが滞っている人(=債務者)へ連絡し、きちんと支払ってもらえるよう導いていきます。
債権回収業は「企業が正常に経営する」上で、非常に大切な役割を果たしているのですね。
債権回収業は厳しい審査をクリアしないとできない
元々、債権回収業は弁護士以外はできない仕組みでした。しかし、平成11年に「債権回収業者に関する特別措置法(サービサー法)」が整備され、民間団体でもできるようになりました。以下のような審査をクリアした企業・団体であれば、債権回収業を行うことができます。
・資本金が5億円以上の株式会社
・取締役の1名以上が弁護士
・暴力団員等の参入排除の仕組み など
上記はほんの一例であり、実際には非常に細かな審査基準が設けられています。また、債権回収業が正しく行われているかどうかを確認するために、定期的な監査が入ることも義務付けられています。
具体的な「債権回収」の方法
具体的には、以下のような方法で債権回収を行っています。
・電話をかけたり郵便を送って支払いの請求をする
・話し合いをして支払い約束書を作成したり、一部弁済
・連帯債務者や保証人から回収する
・支払督促や少額訴訟など法的手段をとる
最初の段階では、いきなり裁判手続きなどは行わず、話し合いによって債権回収することを目指します。 電話や郵便での支払い請求に応じてもらえない場合は、法的手段を示しながら交渉していくことになります。場合によっては連帯債務者や保証人に支払いを請求することもあります。
債権回収コールセンターは、最初の「電話をかけて」支払いの請求をする役割を担っており、債務者の支払い能力がある内に回収する上で非常に大切で意義のある仕事になります。
債権回収コールセンターの仕事とは?
それでは、実際に「債権回収コールセンター」ではどのような仕事をしているのでしょうか。
どんなお金を「回収」しているのか
具体的には、何を回収しているのでしょうか? 債権回収では、支払ってもらえなかったお金や商品代金を債権者(=サービスを扱う企業)に代わって回収します。回収しているお金は以下のように多岐に渡ります。
・電気代や水道料金などの公共料金
・奨学金
・病院代
・知人に貸したお金
・取引先の売買代金
・離婚したあとに支払われるはず養育費
・客の飲食代のツケ
どんな人へ電話しているのか?
上記のようなお金を払う必要があるのにもかかわらず、支払いが行っていない人が主に債権回収の対象となります。上記のような料金に加え、デザイン業務におけるデザイン納品後に未払いな人、工事をしたのに工事代金が未払いの人などへも電話しています。
債権回収の業務は基本的にチームで行う
「一人で債権回収しなきゃならないのは責任が重くて不安……」と考えられる方も多いかもしれませんが、債権回収は基本的にチームで動きます。分からないことや、クレームしてくる人がいても周りに相談することができるので安心です。
債権回収コールセンターで働くメリット・デメリット
債権回収コールセンターで働くメリット・デメリットについてご紹介します。
メリット
正社員になれる
最初は、バイトや派遣社員として雇用される人がほとんどですが、長期で仕事を行い、難しい案件にも対応できるようになると、契約社員や正社員にしてもらえることが多いです。
シフトが比較的自由
債務回収コールセンターは、シフトに自由がきくのがメリットです。主婦の場合、8時~12時まで仕事をし、家事をして子どもを迎えたあとに18時~21時まで仕事に戻るということも可能です。
信頼できる会社で働くことができる
厳しい審査をクリアしないと債権回収業を行うことができないため、逆に言うと「債権回収を行っている会社=社会的に信頼がある会社」であると言えます。当然安心して働くことができる会社がいいですよね。
研修やサポート体制がしっかりとしている
お金や法律に関わる業務となるため、入社時にしっかりとした研修があり、勤務スタート後も周りのサポートが厚いことが特徴です。債権回収コールセンターで働いたことがない方でも安心して業務を行うことができ、さらには自分の生活にも役立つお金や法律の知識が身につけることができます。
デメリット
感情的になる方も少なからずいる
接客業すべてにおいて言えることではありますが、お客様(ここでは債務者)から怒鳴られることもあります。債務者が感情的になりこちらの説明を聞いてくれないことも少なくありません。そのような声に耳を傾けながらも冷静に返済方法を考えていくことが求められます。
通常のコールセンターとは違い「明るい声・トーン」が持ち味の方は向かない
営業やカスタマーサポートの電話とは違い、お金を支払っていない方へ返済を促すための電話となるため、明るい声で話すことは少ないです。そのため、明るい声やトーンを活かして働きたい、という方にはあまり向かないかもしれませんね。
債権回収のコールセンターで働く上で大切なこと
はじめて債権回収のコールセンターで勤めるとなると、不安になるものですよね。ここでは、コールセンターで働く上でのポイントをご紹介します。
相手の言葉に耳を傾けること
債権回収をすべき相手でも、相手の言葉に耳を傾けることが大事です。お金を返せない理由は、病気や怪我で入院中だったり、住所変更によって通知が届いてなかったりなどの事情があるからです。
クレーム対応は避けられないため切り替えスイッチをもつこと
債務者(お金を払えていない人)は、「督促」や「債権回収」という言葉を聞くと、詐欺と間違えたり、不安だったりして怒る方が多くいます。債権回収のコールセンターはそのような方のクレーム対応をしなければならないので、精神的に負担がかかります。続けるためには、切り替えるスイッチを自分の中で持っておくことが大切です。
実際に債権回収のコールセンターで働いたことがある人の声
では、実際にはどのような人が債権回収コールセンターで働いているのでしょうか。実際に働いている方々に話を聞いてみました。
Sさん(20代男性・勤務歴6年)
幅広い年齢層の方が働いていますが、女性スタッフが多いですね。勤務時間がしっかりとしており、残業がないのでプライベートも大切にしながら働くことができます。部署によっては専門の知識が求められたり、常に情報が更新されるので覚えることが多いのも特徴だと思います。電話越しですが「人と話す仕事」なので、「人と話すことが好きな人」「接客経験がある人」などは向いていると思います。
債務で困っている方々と支払い方法などを直接相談し、完済に導くことができたときはやりがいを感じますね。
Nさん(20代女性・勤務歴2年)
勤務体制が魅力で働いています。定時が17時、転勤もないのでライフワークバランスを保って働くことができています。男女ともに明るくはきはきとした方が多く、業務上の相談もしやすい環境です。電話での交渉で判断に迷ったときも頼れる先輩が周りにたくさんいるので心強く、安心して自分の力を出し切ることができています。
債権回収の交渉がスムーズに進まないことも多々ある中、1日にこなす案件が非常に多いので、切り替えが早くてきぱきと仕事をこなすことが得意な方に向いていると思います。
Hさん(30代女性・勤務歴4年)
福利厚生が充実しているため、働きやすい職場です。オフィスには休憩スペースがあり、多くのスタッフがそこで昼食をとり歓談の場となっています。有給休暇や産休等も取得しやすいので、女性も長く働きやすいと思いますよ。
根気強く、粘り強く、相手の気持ちをよく理解し、心を動かすような交渉を心がけることは非常に難しい点ですが、債務者の方の債務を完済に導き、「ありがとう」という感謝の言葉をいただいたときには、債権者・債務者双方の力になれたことを実感し、働いていて良かったと感じます。
Mさん(20代女性・勤務歴3年)
お客様と話し、返済をしていただくまでの一連のプロセスに関わることができるため、「自分の仕事としての役割を実感しやすいのではないか」と思い働くことを決めました。年齢や性別は様々ですが、困っていたりわからない点があったときには親切にフォローしてくれる方が多いですね。 債権回収といっても、ただ単に債務者の方に支払いを促すばかりが仕事ではなく、債務者の話をよく聞き、相手の気持ちに立って返済案を考えていくことが大切になります。
大変だと思うこともありますが、共に完済というゴールを迎えられた時の達成感は、債権回収コールセンター特有の魅力だと思います。
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〇休日:完全週休2日制
まとめ
「債権回収」というと、「怖い人がやっている」というイメージがあると思いますが、しっかりした民間企業が適切に対応しています。債権回収コールセンターでは、不安からクレームをしてくる方もいますが、「電話で相談してよかった」と思ってくれるお客さまも多く、相手に寄り添いながら完済を目指していく、非常にやりがいのある仕事であるといえます。
一方で、債権回収のコールセンターは、時給がよく、オフィスが快適なところが多いです。インセンティブなどの報酬が出るところもあるようです。債権回収コールセンターに興味をもってくださった方は、ぜひ子浩法律事務所さんの求人もチェックしてみてくださいね。